2018.10.28

ミニマリストへの一歩「モノで満足できない理由」を知る!

こんにちは
町の引越屋さんです。
 
「モノを減らしたい」「むやみに買うのをやめたい」と思っていながら、ついつい買ってしまった経験はありませんか?
 
足りていないわけではないのに「欲しい」と思うこともあるでしょう。
 
人がモノを増やそうとするには理由があります。
 
今回は、人がモノを増やしてしまう理由やモノをたくさん持っていても満足できない理由をまとめました。
 

人がモノを増やしてしまう理由は?

ミニマリスト
 

「持っていない」と思い込む

 
私たちは何の問題もなく生活していても「〇〇がない」「自分の理想通りじゃない」「欲しものを持ってない」と感じてしまいます。
 
そして「〇〇を買ったら満たされる」という錯覚から、どんどんとモノを増やしてしまうのです。
 
例えば、たくさんの服がかかっているのを目の前にしながら「着るものがない」と思ったことはありませんか?
 
でも思い返せば1着1着を「これ素敵」「可愛い」「かっこいい」と気に入って買った服だったはず。
 
買って帰ってきた日に鏡の前でファッションショーをしてみたり、初めて着る日はちょっとウキウキした人もいるでしょう。
 
それなのに私たちは、そのような気持ちを忘れ、すでにたくさん持っていたとしても「ない」と感じ、新たにモノを買ってしまうのです。
 
余談ですが、これはモノに限らず部屋や仕事に対しても起こる現象です。
 
引っ越した当初は気に入った物件だったのに、しばらくすると「〇〇が不便」「〇〇が古い」と感じたり、「働きたい!」と熱望して入った会社だったのに「こんな会社(仕事)やめたい」と。
 
モノにしろ、部屋や仕事もかつては自分が望み、そして手に入ったにもかかわらず、現状に満足できなかったり不幸に感じてしまうのは「慣れ」と「飽き」という感情が影響しています。
 

「慣れ」と「飽き」

 
「〇〇な部屋に住みたい!」「〇〇の仕事がしたい!」「〇〇が欲しい!」と望み、それが手に入った瞬間はとても嬉しく感じるのに、次第にその状況に【慣れ】、当たり前になっていきます。
 
買った服を初めて着るときはドキドキしていても、3回、5回と回数を重ねるごとに慣れて、10回以上着るころには当たり前になり、20回着るころには【飽き】てその服を目の前にしながら「着る服がない」とボヤいているかもしれません。
 
私たちは、手に入れる(喜び)→慣れ(当たり前)→飽き(否定)というように、最初に手に入れたときに最大に喜びを感じ、次第に飽きて否定的な感情を持つようになるのです。
 
逆に慣れることなく常にドキドキするような新鮮さを感じていれば、常に満たされた気持ちを維持できるともいえます。
 
むやみやたらとモノを増やさないコツは、この慣れ→飽きの仕組みを知り、自分をコントロールすることが大事になります。
 

人は刺激を求め、モノを買う

 
そもそも、【慣れ】という感情はどうして起こるのでしょうか。
 
私たちは毎日色々な【刺激】を受けながら生活をしていますが、「刺激を受けとった」と感じるのは、刺激と刺激に【差】があるからです。
 
例えば、夏にいきなり海に飛び込んだら、暖かいところから温度の低い海水に触れることになるので刺激に【差】が生まれ、「冷たい!」と感じますよね。
 
ですが、しばらく海に浸かっていると冷たさが気にならなくなり、「慣れたら平気かも」という風に感じるようになります。
 
つまり、受け取る刺激に差がなくなる=慣れという仕組みです。
 
この仕組みは様々なところで働いていて、例えば、大きな音でテレビがかかっている部屋に入ったときに「うるさい!」と感じていても、過ごすうちに慣れて、その環境でも居眠りができるようになります。
 
そして居眠り中にそのテレビを消されると、静かになって眠りやすい環境になったはずなのに「目が覚めてしまったじゃないか」と起きてしまったことのある人もいるでしょう。
 
これは刺激のある状態→消音して刺激がない状態へ変化した刺激の差を受け取った結果、目が覚めているのです。
 
人は刺激の量や大きさそのものではなく、【差】が大事。
 
モノをどんどん買ってしまうのは、持っていない状態→手に入れた状態(刺激↑)からどんどん持っていることが当たり前になり(刺激なし)、刺激を与えてくれないモノに飽きてしまうからです。
 

刺激の差がないと満足できない

 
この慣れ→飽きというシステムは非常に強い力で私たちに影響を与えています。
 
「綺麗になりたい!」と美容整形をした人が手術を繰り返したり、服を目の前に「着ていく服がない」と言ったり、好きで始めた仕事に喜びを感じないなども、慣れ→飽きが影響しています。
 
初めてのバイト代で買った1万円のバッグも使っているうちに飽き、次に給料を貯めて買った10万円のバッグも、誕生日にプレゼントしてもらった100万円のバッグですら、私たちは慣れて飽きてしまうのです。
 
このように私たちはモノを手に入れても「足りない」「もっと欲しい」と思ってしまうシステムを持っているからこそ【モノをたくさん持っていても幸せを感じない】という現象が起こるし、それは仕方のないことなのです。
 
差を作るには、刺激をなくす・変える・大きくする・増やすといった工夫が必要で、それをモノで得ようとすると、
 
・買い換える(刺激の変化)
 
・たくさん買う(刺激を増やす)
 
・今持っているものより高価なものを買う(刺激を大きくする)
 
という行動が必要になるのです。
 

慣れと飽きのシステムは本人にしか作用しない

 
例えば、高級バッグや靴、服をクローゼットいっぱいに持っていても、「〇〇が欲しい」と満足していない人もいますよね。
 
この慣れ→飽きというシステムは本人(当事者)にしか働かないので、他人が「もう十分持ってるでしょ、いらないでしょ」と言っても、その人が刺激の差を感じていなければ満足できないのです。
 
こういった刺激の差は他人に言われたからといって納得できるものではなく、自分の中で作りだし、感じるしかありません。
 

刺激は長続きしない

 
実は、私たちが【慣れ】を感じるスピードは非常に早いことが研究の結果からもわかっています。
 
例えば、「フルマラソンを3時間で走りきる!」と決意をして1年間毎日のように走り込み、食事や筋トレ、身体のケアにも気を遣い、結果を出せたとしましょう。
 
その瞬間は言葉にできないほどに喜び、嬉しい気持ちになり、幸せを感じると思います。
 
ですが、その喜びはせいぜい2-3時間程度しか続かないのです。
 
努力を重ねて目標を達成した喜びですら私たちは慣れてしまい、「次は何しよう」「これからどうしよう」というように考えるようになります。
 

人の感情には限界がある

 
私たちは、刺激が長続きしないという以外にも残念なシステムを持っています。
 
それは、1万のバッグでも10万のバッグでも100万のバッグでも、得られる喜びがほとんど同じということ。
 
高価になったことで生まれた差を感じることはできますが、10万のバッグを手に入れたからといって、1万のバッグの時より10倍嬉しくなるわけではありません。
 
また、手に入れた喜びを感じる時間が10倍長くなることもありません。
 
モノの値段は際限なくありますが、人の感情には限りがあるのです。
 
どれだけモノを得ても満足できずにどんどん増やしてしまう人は、この「感情には限界がある」ということをよく知っておく必要があります。
 
私たちが、モノの量やモノの値段で幸せを増やすことができるシステムを持っていれば、1万のバッグより10万のバッグ、1つ買うより10個買えばいいのですが、残念ながらそうではありません。
 
100万円のバッグを買うことに慣れてしまっている人は、1万円のバッグを買っても「嬉しくない」と感じるかもしれません。
 
ですが実は、100万のバッグを買った時に得ている喜びは、1万のバッグを買った時に得ていた喜びと大差ないのです。
 

「飽きること」に「飽きない」理由

ミニマリスト
 
私たちは慣れ→飽きというシステムを持っているにもかかわらず、飽きることには慣れも飽きもせずモノを買い続けます。
 
こういった現象が起こるのは、人は「現在を基準にごくごく近い未来しか予測できない」からです。
 
例えば、空腹でご飯を食べに行くと、つい注文しすぎて食べすぎたなんてことはありませんか?
 
これは【空腹】という現在を基準に未来の自分のお腹事情を予想をしたけど、見誤った結果。
 
人は未来を予想できると思いがちですが、実は数十分先ですら正確に予想できないのです。
 
そして何度経験していても、真夏にクーラーのかかった部屋で過ごす「涼しくて幸せ」という気持ちを真冬に想像することはできないし、冬が大嫌いでも、真夏に「冬の寒さがちょっと恋しい」なんて思い、実際に冬が来たら「やっぱり嫌いだ!」なんてことにもなるのです。
 
どうしても欲しくて奮発して買ったバッグは、とても素敵に感じるし、いま持っているバッグの中で1番のお気に入りになるかもしれません。
 
ですが、残念ながら「初めて手に持って出かける時の喜び」は想像できても、半年後の「バッグを持っていることに慣れている気持ち」や1年後に「そろそろ飽きたし新しいの欲しいな」と思っている気持ちが想像できません。
 
バッグを手に入れていない現在から、そのバッグに飽きている自分を想像することができないので、私たちは飽きることに飽きずにモノを増やしてしまうのです。
 

モノを増やしてしまう理由まとめ

 
私たち一人一人が持っているモノや環境は、かつて自分が「欲しい」と望んでいて、現在はすでにそれが手に入っている状態です。
 
ですが、持っていることに「慣れ」て当たり前になってしまい、次第に「飽き」ます。
 
この慣れや飽きは、刺激を感じなくなることで起こるため、新しい刺激を求めてモノを買います。(刺激の差を得ようとする)
 
刺激の差をモノで作り出すには、
 
・モノの量を増やす
 
・モノを買い換える
 
・高い値段のモノを買う
 
ことが必要だが、新しく買ってモノを増やしたところでまた慣れ→飽きというシステムが働く。
 
また、他人から見て「十分だろう」と思っていても、本人が刺激を感じていなければ高級品をたくさん持っていても満足できない。
 
そして人の感情には限界があるので、1万のバッグより10万のバッグの方が10倍嬉しい、10倍長く喜びを感じられるわけではない。
 
・・・・と、いうことを繰り返していても人は現在からごく短な未来しか予想できないので、今手に入れようとしているものに「飽きる」ことが想像できずに新しくモノを増やしてしまう。
 
これが人がモノを増やしてしまう理由です。
 
結局のところ、満足できない現状を目の前にしたときにモノを買ってしまう人の根底には、「モノが自分を幸せにしてくれる」「モノがあるから幸せ」といった物軸な思考があります。
 
つまり、【モノの価値=自分の価値】【モノによって自分の幸せ・不幸せが決まる】という風な錯覚が起こっているのです。
 
この状況から抜け出すには、【モノを手放す】こと。
 
たしかにモノは便利で、自分の人生を豊かにしてくれますが、モノに支配されていては本末転倒。
 
「つい買ってしまう」「モノが増えやすい」と感じている人は、思い切って断捨離に挑戦してみてくださいね。



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