2018.10.25

ミニマリスト(最低限主義)という生き方。ミニマリストの定義やモノとの付き合い方は?

こんにちは
町の引越屋さんです。
 
断捨離が流行ると同時にミニマリストという暮らしをする人が増えてきています。
 
ミニマリストと聞くと「何もかも捨ててしまった人」「現実離れした暮らしをしている人」という印象を持っている人も多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、ミニマリストとはどんな暮らし方?どんな定義があるの?などをまとめました。
 

ミニマリストとマキシマリスト

ミニマリスト
 
ミニマリスト(最小限主義者)とはモノを最小限に減らす生き方。
 
最小限のモノとの付き合いから自分の幸せとは?幸せに生きるとは?を考えていくこと。
 
そしてミニマリストの対義語がマキシマリスト(最大限主義者)。
 
たくさんのモノを持ち、高性能で便利なものをたくさん取り揃える暮らし。
 
ミニマリスト・マキシマリストのどちらも利点・欠点があります。
 
共通しているのは、どちらも「便利な暮らしを求め、モノを大事にしている」ということです。
 
ミニマリストはモノを最小限にして、管理や収納、部屋の掃除にかかる時間を減らし、少ないモノと向き合いながら暮らすスタイル。
 
マキシマリストはより便利で時短になりそうな道具を持ち、たくさんのモノを整理整頓しながら暮らすスタイル。
 
ただ、モノをたくさん持つと掃除にかかる時間が増えるのはもちろん、収納術を駆使して整頓しないとあっという間に「汚部屋」になってしまいます。
 
そういった点でマキシマリストは難易度が高いかもしれません。
 
マキシマリスト=モノをたくさん持っているだけではなく、たくさんのモノと快適に過ごし生きること。
 
それと同じようにミニマリストもただモノを捨てて持たない人ではなく、最低限のモノを活かし生きることです。
 

生まれた時は全員ミニマリスト

ミニマリスト
 
私たちは生まれた時に何も持っていません。
 
生きていく過程でモノと出会い、活用して生活するわけですが必要以上にモノを持つと、”不便””不自由さ”を感じるようになります。
 
例えば、
 
・子どもに「片付けなさい!」と毎日怒る
 
・他人の持っている時計や車をみて、それらを買えない自分は出来ない奴だと感じる
 
・「〇〇がない」としょっちゅうモノを探している
 
・「〇〇も買っておいたほうがいいね」とモノを持っていないことに不安を感じる
 
こういったことはモノを持つことで生じた弊害でしょう。
 
人の価値は持っているモノの量や価格で決まるものではないし、モノがたくさんあるほど掃除や整頓に時間とエネルギーは必要になります。
 
モノを持っていないことや、なくなるかもしれないことに対して不安も生まれます。
 
いきなりミニマリストと言われてもピンとこないかもしれませんが、モノを最低限だけ持つことと、持ちすぎる不便さの感覚を同時に味わえる体験の一つが「旅行」でしょう。
 
出発前、「あれも必要になるかも」「何か忘れてるかもしれない」と、モノと不安を増やし時間を消費しながらパッキング。
 
そして「忘れててもいいや!」「なんとかなるだろう」「本当に必要ならその時買えばいい」という解放感とともに家をでて旅先へ。
 
旅先の宿の多くは過ごしていると落ち着く空間になっていますが、実はホテルや旅館は「快適に過ごせるであろう最低限のモノ」しかおいていません。
 
ポツンと置かれたテーブルにコーヒーやお茶などが少量、あとはお風呂に入って寝るために必要なものが置いてあるだけですよね。
 
荷物を置けば片付けも掃除も必要なく、あるのは時間だけ。
 
そして帰るときはたくさん買ったお土産や、観光先の入場券やパンフレットで来た時よりも時間をかけてパッキング。
 
ようやく詰め込めたと思ったら「〇〇どこやったっけ?」ともう一度スーツケースをオープン・・・なんて経験はありませんか?
 
モノをどのくらい持つかは個人の好みですが、モノ持つと管理・収納・掃除するために時間とエネルギーが必要になることはミニマリスト、マキシマリストに限らず全員に共通しています。
 

日本は元来ミニマリストな文化

ミニマリスト
 
日本の文化を遡ってみると、日本人はもともとミニマリスト気質な生活をしています。
 
着物は2、3着と最低限、家は簡素な造りで建て替えが容易で、いつもこざっぱりと清潔に保たれている暮らしが日本の生活スタイルで、殿様の住んでいるお城ですら、最低限のモノだけが置かれ広々とした空間が活かされていました。
 
そして、日本には茶を嗜む文化がありますが、茶室は小さな入り口から入り、たとえ武士でも刀を持ち込めず、身分や貧富に関係なく1杯の茶を味わい楽しむ空間。
 
人と人が向き合い、時間を感じながら過ごす空間を演出している一つが茶室です。
 
逆に西欧の文化は華やかな衣類や宝石類、家具などをたくさん持っていることが富の象徴であり、文化の一つでもあります。
 
どちらが善悪ではなく、日本人はミニマムで、スッキリとモノが少ない清潔感のある空間に慣れ親しんできている人種ということです。
 

Apple製品と共にミニマリズムが逆輸入

 
日本はミニマムな文化から、どちらかというとマキシムな文化へ変化していましたが、Apple製品が日本に入ってきたことがきっかけで、またミニマムな日本文化の良さを好む人が増えています。
 
Apple創始者のスティーブ・ジョブズは日本の禅に大きな影響を受け、あらゆる無駄を削ぎ落とした製品をつくることにこだわったミニマリストでした。
 
彼が創り出した製品は、ボタンは最小限、説明書もなし、端子やケーブルも充電とイヤホンのみといった非常にシンプルなつくりをしてます。
 
実際、ミニマリストに限らず日本はiPhone所有率が世界でも特別に高い”Apple製品が好きな人種”なのですが、シンプルでミニマムな生活を送ってきた日本人の気質にマッチしているといえるでしょう。
 

ミニマリストになったきっかけ

ミニマリスト
 
ミニマリストになる経緯は人によって違いますが、例えをだすと、
 
・モノに振り回され人生を狂わせている人に会ったor自分がそういう人生を送ってきた
 
・モノをたくさん持っているにも関わらず幸せを感じていない
 
・引きこもりから脱出するキッカケにした
 
・モノに執着がなく気がついたらミニマリストだった
 
・震災を経験してモノへの捉え方が変わった
 
などがあります。
 
散らかっている部屋(俗にいう汚部屋)に住んでいる人はモノをたくさん持っているのに幸せを感じていない部類に入るでしょうし、モノを買うために借金をしたり返済に追われているなら、それはモノに振り回され人生を狂わせている部類に入るでしょう。
 
モノに囚われている人の多くは、お金への執着や他人への劣等感といった問題も同時に抱えていることが多く、「自分の価値を下げるのではないか?」「勿体無い」「もう手に入らないかもしれない」といった執着が生まれ、モノが捨てられないケースも多くあります。
 
そしてモノへの価値観を大きく変えるきっかけの一つに「震災」があります。
 
大きな地震がきたときに「モノが落ちてくるかもしれない!」と恐怖を感じた人はたくさんいるでしょう。
 
便利で必要だと信じていたモノの下敷きになってケガをしたり亡くなった人が今までに何万人といます。
 
そして、どれだけモノに執着していても避難するときにそれは持っていけません。
 
実際、自然災害を経験したことをきっかけに、ミニマムな生活に切り替えた人は非常に多いようです。
 

ミニマリストの定義とは

ミニマリスト
 
ミニマリスト=ものを持っていない人、ではありません。
 
ではミニマリストの定義とは何か?と考えてみると、おそらく【自分に必要なものがわかっている人】【大事なもののために取捨選択ができる人】ではないでしょうか。
 
例えば、モノが100個あるからたくさん持っていて、99個に減らしたからミニマリストになった!というわけではないですよね。
 
スーツケースにおさまる量になったからミニマリストになったわけでもありません。
 
大事なのは、自分に必要な”最低限を持つこと”。
 
自分に本当に必要なものと不必要なものがわからない間は、どれだけモノを減らしてもミニマリストとはいえないでしょう。
 
自分に大事なものがわかれば、それ以外は「不要なモノ」。
 
それを思い切って捨ててしまえることも、ミニマリストには必要な要素です。
 

ミニマムにすることは一つの手段

 
ミニマリストになろうとして失敗してしまう例の一つが、ミニマムにすることを「目的」にしてしまうこと。
 
ただモノを減らそうとした人は、途中で減らせなくなり中途半端になったり、減らしすぎて”不便さ”を感じている人が多くいます。
 
モノを減らす生活は、一つの「手段」。
 
大事なものを大切にするために、または大事なものにきちんと時間とエネルギーを注げるように減らすのです。
 
自分にとって本当に必要なものだけを残すミニマリスト(最低限主義者)という生き方は、本来の自分や人生の軸を取り戻す一つの手段として取り入れてみると良いかもしれませんね。



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