2018.09.15

家賃保証会社の役割とは?利用するメリット・デメリット

こんにちは
町の引越屋さんです。
 
家賃保証会社は物件を借りるときに契約することがありますが、最近は利用必須になっている物件も数多くあります。
 
家賃保証会社を利用すると貸主や借主にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
 
今回は家賃保証会社の役割や、利用するメリット・デメリットをまとめました。
 

家賃保証会社の役割とは?

家賃保証会社
 
家賃保証会社の主な役割は2つ。
 
1、賃貸契約のとき連帯保証人の代わりになる
 
2、家賃滞納時に借主に代わって貸主へ家賃を立替払いする(代位弁済)
 
近年は、核家族化が進み連帯保証人になってくれる親族がいない人や、身寄りのない高齢者のみの世帯で連帯保証人になったとしても支払い能力のないケースが増えています。
 
そういった人は物件を借りるときに連帯保証人を立てることができず入居審査をクリアできないので、第三者として連帯保証人になる役割を担います。
 
家賃保証会社は家賃を滞納したとき貸主へ立替払いをしてくれますが、借主に立替分を返済してもらわなければ会社が潰れてしまうので厳しめの取立てがあります。
 

家賃保証会社を利用するながれ(審査)

家賃保証会社審査
 
家賃保証会社や物件によって違う場合もありますが、一般的な流れは次の通りです。
 

書類審査

 
家賃保証会社でチェックされる書類審査は、
 
・職業
 
・雇用形態
 
・勤続年数
 
・年齢
 
・年収
 
・滞納履歴
 
の項目で、安定収入があるか?支払能力や未払いになったときに回収可能か?の判断がされます。
 
通常、家賃保証会社間で利用者のデータ共有をしていないので、家賃を滞納したことのある会社からNGがでても他の会社で申し込めば審査が通ることもあります。
 
ただ、訴訟や夜逃げに発展した悪質な滞納者のデータは家賃保証会社が加盟している全国保証業協会で共有されています。
 

必要な書類

 
主に必要な書類は入居審査と同じく、次の通り。
 
・家賃保証会社の申込書
 
・身分証明書のコピー(免許証や保険証)
 
・収入を証明するもの(源泉徴収や給与明細)
 
・在籍証明書や内定通知書
 

物件・管理会社の確認

 
契約者本人(借主)の情報だけでなく、物件や管理会社を含めた審査をします。
 
一般的に【家賃は手取りの30%以内に収まっているか】が基準になっています。
 
手取り15万なら家賃は5万円以下、手取り25万なら7万5千円以内。
 
家賃比率をクリアしていても、滞納したときに確実に回収できるかどうかも重要な点なので、家賃の金額自体も考慮されます。
 
(家賃の高い物件ほど滞納されたときに回収できる率が下がるため)
 

本人や連帯保証人に電話確認

 
契約者本人と緊急連絡先や連帯保証人に電話連絡が入ります。
 
内容は家賃保証会社を利用することと、連絡先の確認です。
 

審査に通りやすいポイント

 
1、公務員や正社員で継続年数が長い
 
2、年収が家賃1年分の3倍以上(理想的な家賃は手取り25〜28%)
 
3、過去に家賃を滞納した経歴がない
 
保証会社は大家さんからも信頼が高く、「家賃保証会社がつくなら自分は審査していなくても部屋を貸す」と考える貸主もいます。
 

家賃保証会社を利用するメリット

家賃保証会社メリット
 
家賃保証会社を利用すると、貸主・借主どちらにもメリットがあります。
 

連帯保証人がいなくても借りることができる

 
連帯保証人と家賃保証会社は同じ役割を担っているので、利用すれば借主に連帯保証人をお願いできる人がいなくても、賃貸契約ができるようになります。
 
親族が高齢で支払い能力がない人や、外国籍の人も部屋を借りれるようになるのが借主側の最大のメリット。
 
物件によっては連帯保証人と保証会社の両方が必要なケースもありますが、昔は連帯保証人がいなければ賃貸契約が難しかったので、その頃に比べると契約はしやすくなっています。
 

貸主は家賃が受け取れないリスクを減らせる

 
連帯保証人がいても、連絡が取れなかったり、お金がないと家賃滞納分を立て替えてもらえません。
 
その点、家賃保証会社は倒産しない限り、家賃立て替えをしてくれるので確実性が高く、貸主は家賃滞納のリスクが減ります。
 
家賃保証会社は連帯保証人の代行より、家賃滞納分を立て替え、借主から滞納家賃を回収する役割を代行する方が役割としては大きいでしょう。
 
立て替え分の回収が滞れば会社の業績が悪化するので、家主や管理会社の催促より厳しい取り立てを行う会社が多いようです。
 

水商売やフリーターでも契約しやすい

 
家賃保証会社を利用すると水商売やフリーターなど安定収入がない仕事をしている人でも、審査に通りやすいケースがあります。
 
利用する家賃保証会社がその職業を許容していることが条件になりますが、最近ではそういった物件や家賃保証会社も増えています。
 

家賃保証会社を利用するデメリット

家賃保証会社デメリット
 

金銭負担「保証料」が必要

 
賃貸契約のときに敷金・礼金以外に家賃保険会社に対して保証料が必要になります。
 
契約時に支払ったら終了ではなく、多くの会社では1年か2年単位で更新料が必要です。
 

借主側は家賃保証会社を選べないことが多い

 
家賃保証会社は契約者が選べるわけではなくどちらかというと、物件によって決められていることが多いです。
 
過去にその物件の家賃保証会社を利用したとき、家賃滞納歴があった場合審査に通らない可能性もあります。
 
指定の会社が決められている物件は、借主側で違う保証会社に変更することはできません。
 

家賃滞納の取り立ては厳しめ

 
家賃保証会社のシステムは、借主が家賃滞納→保証会社が家賃立て替え→貸主から回収という流れなので、滞納した場合、家主や管理会社より厳しめの取り立てが行われる傾向があります。
 
1ヶ月滞納した場合でも催促の電話がかかりますし、早い会社では1〜2ヶ月滞納時点で訴訟に向けて内容証明郵便が届きます。
 

家賃保証会社を利用するときに知っておきたいこと

家賃保証会社
 

保証料の相場は賃料の30%-100%

 
保証料は物件や会社によって違いますが、一般的に多い設定は次の通りです。
 
■契約時に月額賃料の30-100%
 
■更新時に賃料の10%か1万円程度の固定額
 
多くの会社では2年更新で、更新費用は初回より安い場合が多いでしょう。
 
保証料も賃料20万円以上の部屋は30%と低比率、一人暮らし向けの1kや1Rでは100%と高めに設定している会社が多いようです。
 

連帯保証人と保証会社の両方が必要な時もある

 
保証会社は連帯保証人がいない人でも賃貸契約ができるようになりますが、きちんと連帯保証人を立てていても家賃保証会社の利用を義務付けている物件もあります。
 
家賃保証会社をつけるかどうかは貸主や管理会社が決めていることなので、借主は原則としてその規定に従わなくてはいけません。
 
理由は、利用してもらえた家賃保証会社から不動産会社へ手数料や謝礼が支払われるケースや、貸主が家賃滞納時のリスクを少しでも減らしたいケース、他には、立て替え家賃を回収できなかったときの保険として【家賃滞納をしなさそうな優良な借主】から保証料を徴収しておきたいといったケースがあります。
 

家賃保証会社を利用していて家賃滞納をした場合

 
もし家賃滞納をしてしまうとどうなるのでしょうか。
 
そのまま放置すると契約解除→明け渡しになりますが、ちゃんとした保証会社であれば脅迫に近い取り立ては行われないので、きちんと対応し返済しましょう。
 

返済できない家賃返済期日を言わない

 
家賃滞納の返済を、お金が用意できる保証もないのに「〇〇日に払います」と適当な約束をしないこと。
 
苦し紛れに3日後、1週間後と言ってしまわずに日にちは給料日したり、支払額も入ってくる収入で払える額にしましょう。
 

居留守は使わない

 
めんどくさがったり、後ろめたさから家賃催促の連絡を避ける人もいますが、これは絶対にNG。
 
「家賃滞納しても連絡してこない人」「家賃催促の連絡をとらない人」とモラルの低い人という心象を与えるだけでプラスになることはありません。
 
どんな事情であれ滞納しているのは事実なので誠実な対応をしましょう。
 
連絡は誠意の伝わりやすい電話がオススメです。
 

今後、家賃保証会社はさらに必要になる

 
高齢化や核家族化が進んでいる日本の現状を考えると、賃貸契約時に家賃保証会社の利用が必須になっていくと思われます。
 
家賃保証会社を利用すると連帯保証人を立てれない人や外国籍の人でも、借りれる部屋が増えますし、貸主も家賃が回収できないリスクが減るので、非常に便利なシステムでしょう。
 
病気や失業などでどうしても家賃が支払えない月もあるかもしれませんが、その時は自分から早めに連絡をしておきましょう。



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