2018.06.23

引越しそばの由来!なぜ引越しそばを食べるの?

こんにちは
町の引越し屋さんです。
 
皆さんは引越しのときに「引越しそば」は食べますか?
新居での最初の食事はそばにするという人は結構多いのではないでしょうか?
 
ですが、昔の引越しそばは今とは違っていたようです。
今回は、引越しの際のプチイベント「引越しそば」についてまとめました。

現在と違っている引越し蕎麦の由来は

引越しそば
 
引越しそばが始まったのは江戸時代の中頃だといわれています。
 
現在では新居で引越し祝いもかねて”そばを食べる”という習慣になっていますが、江戸時代は食べずに引越しの挨拶の品として配るものでした。
 
そばを配るようになる前は小豆入りのおかゆやお餅だったようですが、安いものではなかったので安く美味しく、そして喜ばれたそばを贈るようになりました。 

引越しそばは江戸っ子のユーモア

 
引越しそばは向こう三軒両隣にはせいろ2枚ずつ、大家さんにせいろ5枚配るのが一般的で、「”おそば”に引越してきました」「(そばのように)細く長くお付き合いください」という洒落っけを効かせた言葉遊びが起源になっています。
 
江戸時代の終わりになってきて引越しそばの習慣ができてくると、茹でたそばや生のそばは日持ちしないため受け取った側のタイミングで食べれるように、おそば屋でそばが交換できる「そば切手」という商品券に形を変えて受け継がれていきました。
 
この引越しそばの文化は関東や東北では認知度がありましたが、西の方にはあまり馴染まなかったようで、そばよりうどんを持っていくこともあったようです。
 
現在では挨拶に菓子折りや日用品を持っていく形で受け継がれていますが、そばを持っていく人は少なくどんどん廃れている文化です。 

引越しそばを食べるようになったのはなぜ?

 
江戸時代から現代にまでに、そばを配る→そばを食べるに変化したわけですが風習が変わった理由は、引越し業者ができる昭和50年頃より前は、引越し=みんなで協力して行うものだったことです。
 
今のように引越し業者がない時代は、引越しは自分たちと友人に手伝ってもらって行うのが主流で、会社の上司や部下に手伝ってもらうのもごく普通のことで、お互いに引越しの時は助け合うのが当たり前でした。
 
その引越し作業を手伝ってくれた人たちに、労いを込めてそばを振る舞うようになったのが現在の引越しそばの風習につながっています。
 
引越し業者ができてからは、手伝ってもらうことは減りましたが、そばを食ベる習慣だけは残っているので、引越しをした日はそばを食べる人が多いのです。 

引越しの挨拶に持っていく時はアレルギーに注意

 
引越しそばを挨拶の品として持っていく人はとても少なくなりましたが、配っている人はいます。
そばを持っていかなくなった理由の一番はそばアレルギーです。
 
日本でそばアレルギーを持っている人は約5万人なので出会う確率は低いですが、そばアレルギーはアナフィラキシーショックという重篤な症状がでやすく命に関わることもあるので、気をつけなくてはいけません。
 
もし引越しそばを挨拶の品に持っていく場合はアレルギーを考慮してうどんなどの代替え品も用意しておきましょう。 

引越しそばは江戸時代から受け継いだ引越しイベント

江戸時代のそばを向こう三軒両隣の配るという習慣からは違った形で受け継がれている引越しそばですが、受け継がれてきた伝統的な習慣です。
 
ちなみに向こう三軒両隣とは、自宅の両隣の2軒と、自宅の向かいとその両隣の3軒のことを指していて、今でも引越しの挨拶はこの5軒に行くのが習わしです。
(マンションの場合は向かいがいないので、自宅の上下の部屋に挨拶へ行きます。)
 
最近では近所づきあいがなくなってきていますが、引越しの際の挨拶はできればしておきましょう。
その時に習慣に沿ってそばを持っていくのも、今となれば珍しいのでとても良いと思います。
 
引越し時のちょっとしたイベントとして、持っていくもよし、食べるもよしなので受け継いでいきましょう。



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