2019.10.05
【ガルバリウム鋼板】屋根に使用するメリット・デメリットは?

こんにちは
町の引越屋さんです。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンから作られた金属素材で、
住宅の屋根にも使用されています。
耐久性が高いので、条件さえ合えば屋根材としてとてもおすすめの素材です。
今回は、ガルバリウム鋼板を屋根材として使用したときの特徴やメリット・デメリットをまとめました。
ガルバリウム鋼板を屋根に使用するメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板とは、1970年代にアメリカで開発された金属素材で、
アルミ、亜鉛、シリコンなどで鉄をコーティングすることにより、サビやすかった金属素材の耐久性を改善した素材です。
では、ガルバリウム鋼板を屋根に使用するとどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ガルバリウム鋼板を屋根材にするメリット
まずは、ガルバリウム鋼板を屋根材にした時のメリットをご紹介します。
耐久性が高い
屋根は常に雨・風・紫外線にさらされているので、住宅の中でも劣化しやすい部位です。
そのため、耐久性が高いことはとても大切。
ガルバリウム鋼板は、亜鉛の防食機能(鉄よりも亜鉛が先に腐食するので、鉄が守られる)と、
アルミの高い耐久性を合わせ持っている素材なので、これまで主流だった金属屋根(トタン屋根など)と比べて
3倍以上の耐久性を持っています。
ただ、「メンテナンスフリー」や「錆びない」といったことはなく、経年により劣化しメンテナンスは必要になるので
誇張表現を鵜呑みにしないようにしましょう。
加工しやすい
ガルバリウム鋼板は複雑な折り曲げが可能な素材で加工しやすいので住宅、店舗、工場など様々な場所で使用されています。
また、屋根だけでなく外壁にもよく使われています。
最近は、表面にフッ素樹脂を焼き付けて紫外線への耐久性を高めたものも販売されています。
耐熱性が高い
ガルバリウム鋼板は、熱に強いアルミが多く含まれているため、(亜鉛43%、アルミ55%、シリコン1,6%)
これまでの金属素材よりも耐熱性が高くなっています。
耐震性が高い
ガルバリウム鋼板は1mm〜3mmと非常に薄く、とても軽量な素材です。(瓦の約10分の1の重さ)
屋根が重くなればなるほど家の耐震性は低下してしまうのですが、
ガルバリウム鋼板は軽いので家への負担が少なく、耐震性の高い素材です。
そのため、既存の屋根材の上に新しい素材を重ねる、カバー工法を行なっても影響を受けにくい素材になっています。
ガルバリウム鋼板を屋根材にするデメリット
では、ガルバリウム鋼板を使用するときのデメリットを紹介します。
断熱性が低い
ガルバリウム鋼板は金属素材なので、素材そのものに断熱性は備わっていません。
そのため、屋根材の下に断熱材の施工が必要になるので、その分工事費用がかかってしまいます。
防音性が低い
金属素材は、瓦やスレートの屋根と比べると、防音性は劣ってしまいます。
そのままだと雨音や外の音が大きく聞こえ気になってしまう方も多いので、断熱材と同様、
下地に防音材を敷いておく必要があり、その分費用がかかります。
平らな屋根には向いていない
ガルバリウム鋼板は、勾配のある屋根に向いている素材です。
平らな屋根だと、雨が降った時に屋根の上に水溜まりができ、そこから錆びて浸水してしまう可能性があるからです。
そのため、勾配のない屋根や陸屋根には使用できません。
アルカリ性の物質に注意
耐久性があり、熱にも強い素材ですが、アルカリ性の物質には弱い性質を持っています。
家の周りによくあるものだと、枯れ葉、木材などが該当します。
これは木材に含まれている木酢液という酢酸が原因になので、屋根の近くに背の高い植物がある場合は
ガルバリウム鋼板に長時間接触しないよう、定期的に手入れが必要です。
電食に注意
ガルバリウム鋼板は異なる種類の金属と接触すると、電食という腐食現象が起こる可能性があります。
例えば、ガルバリウム鋼板の上に、うっかり釘などを残したままにしてしまうと、そこから電食してしまい
本来の耐久性を発揮できないケースもあります。
ガルバリウム鋼板の屋根の耐久性やメンテナンス方法
ガルバリウム鋼板は耐久性の高い素材ですが、メンテナンスフリーではありません。
ですので「ガルバリウム鋼板にすると、メンテナンスが不要です!」というような業者は誇張表現なので避けましょう。
ガルバリウム鋼板の屋根のメンテナンス方法
ガルバリウム鋼板は特別な手入れは不要ですが、半年に1度くらいの頻度で水をかけ、
表面の泥や汚れを落としておきましょう。
耐久性が高くても、潮には長期間さらされない方が良いので、
沿岸地域の場合は3ヶ月に1度くらいの頻度で水かけをしておきましょう。
20年前後で一度リフォームをするのが理想
ガルバリウム鋼板そのものの耐用年数は30年ほどあるとされていますが、
表面の塗料の耐用年数に合わせて再塗装をしておいたほうが綺麗な状態を保つことができます。
また、20年経過した時点で、葺き替えか重ね葺きを検討しましょう。
なぜなら、ガルバリウム鋼板自体の耐久がまだ持っていたとしても、下地に敷いている防水シートや
断熱材、防音材の耐用年数が15年程度だからです。
まとめ
ガルバリウム鋼板は、メリットの多い素材ですが、きちんとした技術や知識を持っている業者に依頼しないと、
失敗してしまうケースがたくさんあります。
特に、異なる金属に反応して起こる電食には、施行中から気をつけてもらわなければいけません。
また、従来の金属素材と比べて耐久性が高いというだけで、全く錆びたり腐食しないわけではありません。
なので「メンテナンス不要!」というように押してくる業者には気をつけるようにしてくださいね。